2012年08月11日

紅茶のショートストリー:「月夜のかほり」編

いつも、テイスティングの観点で
皆様にご報告しておりましたので、
今回は茶葉の変化から見たお話です。



茶畑で摘んだ緑の新芽が、
黒い紅茶に変化して、
ティーポットでのなかで
再び新芽にもどる「月夜のかほり」のショートストリーです。

紅茶のショートストリー:「月夜のかほり」編


摘んだばかりのパリッとした元気な新芽を

紅茶のショートストリー:「月夜のかほり」編


収穫して・・・、

紅茶のショートストリー:「月夜のかほり」編


一晩かけてしんなりするのを待ちます。

紅茶のショートストリー:「月夜のかほり」編

水分が抜けて萎れだした茶葉は
産毛をまとった新芽が顔を見せ
移萎(イチョウ)する部屋は
熟れた果物と花と蜂蜜の香りで
あふれています。


午後から揉む作業、
醗酵が始まり、
休ませて醗酵の進行をただひたすら待って、
乾燥させて香りを茶葉に閉じ込めて
眠らせる・・。

翌朝には「月夜のかほり」が生まれます。
紅茶のショートストリー:「月夜のかほり」編

よーく眠った茶葉は、
ティーポットの中で熱いお湯で目を覚まして、
捩れに閉じ込められた風味を
お湯の中に解き放ち
摘んだときの新芽の姿に戻る・・
これが私の思い描く紅茶のショートストーリーです。

紅茶のショートストリー:「月夜のかほり」編


この全てが、いま沖縄で行われています。

どの工程の茶葉もとても美しく、
工程が進むほどに増す香りの素晴らしさ、
ずっと吸い込んでいたいと
思わせる魅力があります。

作業をすすめる私たちが
お客様よりも先に
心からリラックスするギフトを
頂いているように思い幸せです。

世界のどこにもない香りを持つ原料で作る
美しい紅茶が沖縄で作られている、
それが「月夜のかほり」です。








Posted by 内田 智子 at 11:22 │紅茶